夏休みの自由研究はおつまみ研究で決まり!『23時のおつまみ研究所』(小田真規子著 ポプラ社, 2023)のサブタイトル「おつまみは「料理」にあらず「娯楽」なり」だってー。娯楽ですから楽しくない訳がないもん。コラムも今回で50回をむかえ、挿絵を担当する斉藤さんとの記念企画「13時のおつまみ実験室」を(我が家で)開催。『23時のおつまみ研究所』からの娯楽レシピを再現し、アルコールと共におつまみと会話を楽しもうというもの。娯楽サイコー!
『料理用語事典』(真珠書院, 2003)によると、「つまみ物」とは、「簡単な酒の肴のこと。つまみざかな。つまみ、おつまみともいう。」とある。つまり、お酒がベースにあってのsomethingなのですね。お酒が主役でそれを引き立てるバイプレーヤー的存在がおつまみ。さてさて、お酒のチョイスはどうしましょうか。
突然一人暮らしになった料理のできない(しない?)還暦をこえたテツローが、ある日立ち寄った居酒屋「呑み処きつね」。ここは、通常は人間に化けている店主のきつねが、最高のおつまみを求めて日夜研究を重ねる研究所である。
おつまみは、「塩気」、「香り」「温度」「刺激」「うま味」「食感」の6つの軸でできているとのこと。これらをビールやウィスキー、それから焼酎に日本酒、白ワイン・赤ワイン、それぞれと相性のよいおつまみは?を追究して作られるのが『23時のおつまみ研究所』の品々である。どれも魅力的、おつまみにお酒を合わせるパターンもありよね。
実験室(我が家)でチョイスしたビールは、全国第一号のクラフトビールといわれる「エチゴビール」。1994年4月に酒税法の一部改正により小規模なビール醸造所が全国に誕生(1994年の酒税法改正までビールの製造免許を得るには、年間最低製造量が2,000キロリットル(350ml缶換算で約57万本!)以上とされていたが、法改正後はビールの年間最低製造量が60キロリットル以上にまで大幅に緩和された)、小さな規模で作っているビールを工芸品(クラフト)にたとえ「クラフトビール」と呼ばれるようになったのだとか。「エチゴビール」は黒ビールや白ビール、深紅のビールなど様々な種類があり、ビールだけでも色々なおつまみが楽しめそう。そうそう「エチゴビール」はラベルも可愛くて、トキメキもプラス。
これに合わせるのはとんカツ用肉で作る「豚のみそ漬け焼き」。みそ床に5日間漬け込んだ豚肉はみそからの塩分、糖分、うま味などが肉に浸透して、味もしっかり食べ応えもあり。これにからしを付けるとまた味わい深く、ビールが進んじゃう!無限ビールよね。
白ワインには、スモークサーモンにセロリの組み合わせ、これにオリーブオイルとレモンを散らしてできあがり。北欧ではサーモンに「ディル」というハーブを合わせるのが定番らしいが、セロリもディルと同じ香り成分が含まれているので相性は抜群!サーモンの塩気をセロリのみずみずしさが中和するさわやかな一品は、スパークリングワインにもウィスキーにもぴったり!マヨネーズを塗ったバケットに、しらすとのりとチーズをのせて焼いたおつまみも白ワインとよく合う!あ~、しあわせ。
焼酎は芋よね、ということで「晴耕雨読」(コラム「雨とちぐはぐな休日」に登場)のダブルエックスバージョン「XX晴耕雨読」をセレクト。原材料がさつま芋に米麹と米で、蒸留した米焼酎を20%ブレンドしたもの、呑むとほのかに香ばしいゴマのような香りが心地よい。
芋焼酎のおつまみはやっぱり芋でしょ⁉「甘じょっぱい」が勝負の決め手、「干し芋のチーズ焼き」。干し芋に塩・コショウ、チーズをかけてトースターで焼くだけの簡単レシピ。焼酎の香りと甘じょっぱさがベストマッチ!完璧なおつまみだけどデザートとしてもいい。一つで二度おいしいお得感もあり。
それから、にんじんスティックのベスト温度は5℃。冷蔵庫で8時間冷やした後、常温で数分おくと適温に。パリパリの瑞々しい歯ごたえに加え甘さもしっかり。これにカレー粉、塩、砂糖を混ぜたものにつけるとこちらもやみつき。我が家の定番に決定!
同著者による『午前7時の朝ごはん研究所』(ポプラ社。2024)もあり、次は朝ごはんも充実させましょう。と‘食’への野望はつきないのである。
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