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タイトル Hidden Library,Invisible Librarian

20 うんこ日記

挿絵1
『うんこ日記』
村中 李衣 作,
川端 誠 作,
BL出版,2004

 皆様こんにちは。今年は秋の訪れがとても遅かったように感じました。
 私の近況報告としては、「涼しくなったらやろう」と思っていた、ウォーキングを、やっと始めました。日も短くなり、ナイトウォークなもので、うっかり踏んでしまったのがドングリだったり、スズムシの大合唱に耳を奪われたり。
 1日8,000歩が健康の秘訣と聞き、無理せず8,000歩を目指して、ゆるゆるとお散歩しております。8,000歩でどこまでいけるんだろう、なんて、近所ながらいろんな道を探検したりすることも。何年も住んでいながら、「あ、曲がる道を一本間違えた!」なんていう珍道中ですが、楽しく続けられているのがとても奇跡的。そもそも、私、続けることが苦手な「ザ・三日坊主」なのです。その最たるものが「日記」。張り切って日記帳を買ってはみるものの、続いたためしがないのです。「10年日記」をつける、なんていう方もいらっしゃって、継続することのプロだなぁと敬服いたします。そんなお話を聞くと、改めてやる気になるのですが、もちろん続きません(笑)。もはや「これは私の個性」と開き直っております。

 さてさて、そんなわけで、今回は「日記」をテーマに絵本を選びました。
 一冊目に紹介するのは・・・お食事前の方にはごめんなさい。『うんこ日記』(※1)です。
 1週間の旅から帰ってきたお父さんに、しょうへいくんが見せたのは、なんと!うんこの絵日記です。衝撃的な絵だけではなく、その日何を食べて、どんな一日だったのかをお父さんに話して聞かせてくれるしょうへいくん。それを一つずつ聞いてくれるお父さん。川端誠さんの描く、表紙のトイレの内装や、裏表紙のトイレットペーパーなど、妙にリアルで気に入っています。テンポのいいストーリー展開で、朝の読み聞かせなどにも大活躍の絵本です。
 題材としては、「うんこ」だし、子どもたちが大好き?なネタなのですが、単なる人気を狙った絵本ではなく、食べものとの関わりや、家族と食卓を囲む温かさを伝えてくれる1冊です。ぜひあとがきまで、楽しんでほしいです。

 二冊目は、『くろずみ小太郎旅日記 おろち退治の巻』(※2)です。この絵本は、旅の途中のエピソードを1冊にまとめてあるシリーズで、8巻まで出版されています。また、紙芝居もある、人気のシリーズです。
 くろずみ小太郎は、その名の通り、黒い炭の若者で、忍術使いです。おろちの出るという地にやってきた小太郎が見たのは、ものすごい大きさのヘビ(おろち)です。ネタバレになってしまうので、これ以上が言いませんが、痛快な方法でおろちに立ち向かう小太郎の活躍をぜひ見届けてください。

 三冊目に選んだのは、『ますだくんの1ねんせい日記』(※3)です。私が図書館で働き始めた20年ちょっと前のこと。来館するどの子も、「「ますだくん」ありますか?」と聞いてくれるほどの超人気の絵本です。武田美穂さんのかわいらしい絵と、マンガのコマ割りのようなスタイル。ますだくんの視点で、日記形式としてお話が進んでいきます。お話の中心は、ちょっとたよりない隣の席の女の子、みほちゃんとのやりとりがつづられています。元気いっぱいで友達を何とかしてあげたい、というますだくんの気持ちも、言いたいことを言えずにもやもやしてしまうみほちゃんの気持ちもわかるなぁ。
 私自身、引っ込み思案で、思うように人と接することができなかった小学校生活を過ごしていたので、ますだくんのように元気いっぱい、根性でなんとかしよう!みたいな男子がこわかったです。今から思えば、笑ってしまうような小さなことですが、当時の私にとっては、大問題。みほちゃんのように、どうにか学校を休めないかな、なんて考えていました。
 ちなみに、「ますだくん」のシリーズも何冊もでていますので、チェックしてみてくださいね。

 今回紹介したどの本も、出版されて20年以上たっています。そして、今なお愛され続けています。この本が出版されたときに読んでいた当時の子どもたちも、すでに立派な大人になって、家庭を持っているかもしれませんね。書店の店頭には新しい本がたくさん並びますが、時代が移り変わっても、一冊の絵本が誰かの背中をそっと支えるかもしれない図書館で大切に本と向き合っていく大切な仕事ができている今に感謝でいっぱいです。


  • ※1『うんこ日記』,
    村中 李衣 作,川端 誠 作,BL出版,2004
  • ※2『くろずみ小太郎旅日記 おろち退治の巻』,
    飯野和好 作,クレヨンハウス,1997
  • ※3『ますだくんの1ねんせい日記』,
    武田美穂 作・絵,ポプラ社,1996

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