皆様こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
ようやく暑さも落ち着いて、過ごしやすくなってきましたね。私の職場では、10月まで夏休みが取得できるので、月末に、例年よりも遅い夏休みを楽しもうと思っています。かねてより行きたかった愛媛県へお勉強がてら向かう予定です。おすすめの場所などありましたら、教えていただけると嬉しいです。
さて、今回はタイトルを見てお分かりのとおり、忍者を取り上げようと思っています。忍者と聞くと、なんとなく、もわーんと想像することができると思うんですが、私はリアルに見たことはありません。おそらく多くの方もそうじゃないでしょうか。海外に住んでいる方も、「日本といえば」のなかにニンジャが入るようです。なぜこんなにも、忍者の知名度は高いのでしょうか!
私の忍者とのファーストコンタクトは、『忍者ハットリくん』(※1)です。テレビで見て、忍者ってこんな感じ、というイメージが色濃く刷り込まれたように思います。
また、一緒に住んでいた祖父がよく時代劇をテレビで観ておりまして、私が好きだったのが、「服部半蔵 影の軍団」(※2)。メインテーマがかっこよくて、幼き私でも引き込まれてしまったのでした。
その後は、子育て中に、子どもたちがテレビで楽しんでいた「忍たま乱太郎」(※3)も、忍術を学ぶ学校がモチーフの物語です。
それで今回は、図書館にある忍者の絵本を探してみたんです。そしたら、あるわあるわ。これでもかと忍者絵本が出版されていました。
本来は「忍び」である忍者ですが、絵本を通して、子どもたちにもイメージできるようになっているのかもしれませんね。
前置きがかなり長くなりましたが、数ある忍者絵本の中から、悩みに悩んで三冊をセレクトしました。
一冊目は、『よふかしにんじゃ』(※4)です。表紙がかなりインパクトのある絵本です。真夜中に、満月をバックに忍び込む一人の忍者。そーっと進んだ先に目にしたのはお宝⁈と、そこで姿を見られてしまいます。
この絵本の文を手掛けた、バーバラ・ダ・コスタ氏は、海外の方で、大人向けのミステリーや短編小説作家さんです。子ども向けの絵本も初だそう。それを聞いて、なるほど!と思ったのですが、この絵本、ストーリー展開がコンパクトながら、どきどき感を味わえます。長谷川義史さんの訳が関西弁なのも、温かさが感じられます。エド・ヤング氏のコラージュのような絵は日本らしさ全開ながら、立体感ある作品となっています。
ぜひ手に取っていただきたい忍者絵本です。
二冊目は、『おっかけにんじゃ』(※5)です。もうね、表紙を見て「好き」って思ってしまった絵本です。表紙のレトロ感とこれでもかと書き込まれた感じが、なんとも言えない雰囲気を醸し出しています。
家族で、おじいちゃんおばあちゃんの家に電車でお出かけしようと、駅のホームで待っていると、おそばやさんになんと小さな忍者を発見!本物だったのかとモヤモヤしながら出発して窓の外を見ると、なんと忍者が追いかけてくるではありませんか。
この絵本は、ストーリーだけではなく、パズルや謎解きが埋め込まれているのも楽しみの一つです。どちらかというと、読み聞かせではなく、自分で読んだり、親子で楽しんだりする絵本です。大串ゆうじ氏の、とにかく楽しくてどことなく笑いを誘う絵がたまりません。
さあ、修行を続ける忍者と謎解きを楽しみませんか?
三冊目は、『にんじゃ きくんじゃ でんごんじゃ』(※6)です。タイトルの通り、伝言ゲームをモチーフにした忍者絵本です。
月を見た殿様は、真夜中にだんごが食べたくなってしまいます。そこで誰にも見つからないようにだんごを持ってくるように、忍者に命じます。そこから忍者は次から次へと伝言で、殿様の希望を伝えていきます。果たして殿様はだんごを食べることができるのでしょうか。
伝言ゲームって、大人がやってもなかなかうまく伝わらないですよね。でもそれがおもしろいと思っています。最初の言葉がどんな風に伝わってしまうのか、最初と最後を比べる瞬間がたまらなく好きなんです。
この作品の文を書かれた川之上英子氏、健氏によるストーリーも、まさに伝言ゲームのおもしろさを、とてもテンポよく描いていて、次にどうなるのかと、どんどん読み進めることができます。そのストーリー展開に、おくはらゆめ氏のかわいさのある絵がマッチして、コミカルでとても楽しい絵本です。忍者たちの大活躍をぜひ読んでみてくださいね。
今回は、「忍者」の絵本を取り上げてみました。紹介できなかった絵本もたくさんありますので、いろんな忍者と出会ってみてくださいね。
さて、今年の中秋の名月は10月6日月曜日だそうです。今回、紹介した絵本のうち二冊に満月が登場します。ぜひ秋の夜長に、絵本を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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川之上英子・健 文,
おくはらゆめ 絵,
アリス館,2024