
皆さんこんにちは。今年も暑い夏がやってきました。学校図書館界ではこの時期、各地で研修会や大会が開かれます。なかには、島根県米子市で開催される学校図書館問題研究会全国大会と、北海道札幌市で開かれる全国学校図書館研究大会札幌大会をはしごする方もおられるとか...。熱中症対策をしっかりしながら、この夏も大いに学びましょう!
今回は、夏休みの昼下がりの放課後カフェの様子をお届けします。1学期に起こった出来事を語り合ううちに、話題は選書へと広がっていったようです。
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あおい 選書って難しいよね〜!
しおん 唐突にどうした?(笑)
あおい この3人の中では一番経験が浅い私の悩みを聞いて下さい。児童書と一口にいっても、「これは小学生向けだな」って思う本があれば、「小学校の図書館に置いて大丈夫かな」って悩む本もあるの。作家さんによっては、児童書と大人向けの本と両方書く人がいますよね。
あかり 辻村深月さんとか、椰月美智子さんとかかな。
あおい そうそう。辻村さんの本もそうだけど、児童書と大人向けの本と両方書く人だと、読んでみないと入れていいかどうか、判断がつかなくて。児童書専門の作家さんで定評のある人だったら、割と安心して入れられるんだけど、絵本みたいにささっと目を通してから入れるっていうわけにも、全部読むわけにもいかないから、すごく難しいなって思います。 読んでいると重い描写が途中で出てきたりして、「うーん、これは...」って思って、選書リストから除くというパターンもあったり。 勉強にはなるかもしれないけど、小学校ではまだいいかなって。中学生になったら読んでみてもいいかもしれないけど...って迷うのが結構ある。
あかり 読める子はどんどん読んだら良いと思うけど、確かに内容的に小学校だとどうかなって思う作品はあるね。図書予算も限られているし。
あおい 中高生向けの作品を書く作家さんもどんどん登場しているから、この夏休みに発掘しないとなって思っています。
しおん 私が今悩んでいるのは、同じテーマのシリーズものの選書。
あかり 調べ学習用のセット本?
しおん それもあるんだけど、歴史まんがシリーズの選書で悩んでて。複数の出版社が出しているじゃない? A社の世界の歴史まんがシリーズが古くなってきたから、新しい版に買い替えようと思ったの。でも、日本の歴史はA社のシリーズで既に揃っているから、世界の歴史もこれまでと同じくA社にした方がいいのか、それとも別の出版社のシリーズを選んだ方が子どもたちにとっていいのかで悩んでて。同じ出版社で揃えたほうが使いやすいのかな、それとも偏らないほうがいいのかなって。
あおい A社で揃える「これだ!」っていう決め手に欠けるってことかな? 情報量の多さとか、ルビの有無とか、イラストにこだわりがあるなとか。人気のある漫画家やイラストレーターがイラストを書いていたり。比較のポイントはいくつかありますよね。
あかり 全ページフルカラーなことを売りにしている出版社もあるね。でも、そうなるとやっぱり値段が高くなる。一つの出版社が力を入れ始めると、他社もそこにどうやって割り込んでいこうかって戦略を練るんだろうね。あそこがフルカラーなら、うちは情報量で勝負!とか。購入特典つけたりとか。
しおん ネットの口コミを調べてみたら、B社のシリーズが結構売れているという情報があって、他校の学校司書にも聞いてみたら、小学校だったらC社がおすすめという人がいれば、世界の歴史だったらA社の方が良いという人もいて・・・。情報の海で溺れかけてしまっているんだけど、こうして色々な出版社から出ている本を比較するのも選書の面白さなんだよね。
あかり 以前、公立図書館で司書をされている方が「大手の出版社だったら、クオリティは一定程度保証されているんじゃない?」っていうアドバイスをしてくれたことがあって。確かに出版社によってどこに力を入れているかはそれぞれだけど、子どもたちが学校で実際に学んでいる内容は当然踏まえて作られているだろうし、それも一つの考え方だなと思って。私自身はそれで気が楽になったんだよね。確かに完璧はないから。どんどん変わっていくし、新しいもの出てくるし、今の時点でいいと思うものを選ぶしかないわけだから。もしかすると来年また新しいのが出るかもしれないし、分からないじゃない。
あおい 高学年担当の先生に相談してみるのも良いかも。公共図書館とか行くとさ、複数の出版社のシリーズが置いてあるじゃない。予算が潤沢にあればね、A社もB社も、思い切ってC社のも買ってしまえ!ってできるんだけど、それができないから悩むんだよね。
あかり 難しいね。でも、どれにしようかなって、子どもたちの顔を思い浮かべながら考える時間も楽しいものだよね。
八洲学園大学生涯学習学部教授、放送大学客員教授。
読書教育、学校図書館専門職のライフストーリーを研究。
図書館で働きたい・図書館をもっと素敵な場にしたいという思いを持つ学生さんを通信制大学にて応援中。
2025年に郵研社より、『蛾のおっさんが聞く 学校図書館のもやもや35』を共著で出版。
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