大地震が起きる、という予言のあった日に読んでいた本が大当たりだった。『方舟を燃やす』(角田 光代/著 新潮社)である。ここ最近、実用書ばかり読んでいたので、小説を読む感覚が鈍っていたのだが、当たりの本は1ページ目からおもしろいということを久しぶりに思い出した。
物語の始まりは1967年生まれの主人公が占い師に飛馬と名付けられ、家族で飛行場に行くところからだ。不器用な主人公の姿が自分の子ども時代と重なり、するっと物語の世界に入り込めた。
ノストラダムスの大予言や、口裂け女、はては最近のコロナ禍のことまで出てくるエピソードの一つ一つにどれもこれも心当たりがあり、ページをめくる手がとまらない。432頁のずっしりとした単行本は、ずっと続きがありそうでうれしくてたまらなかった。こんなに面白い本をどうして見逃していたのだ、と自分が許せないが本の神様が「今読むべし。」と教えてくれたのだと思うことにする。
図書館で借りた本だったので、読後すぐに買いに走った。ここ最近は、再読中心の読書にシフトチェンジしたので気に入った本は忘れないうちに、迷わず買う。出かけるときは、絶対はずさない本を持って出かけたい。
とにもかくにも、自分がこれまで生き延びてきたからこそ読書を満喫できているわけだが、勤務先の学校図書館にやってくる子どもたちも、自分の方法でお気に入りの本を見つけて楽しんでいる。
普段なら休み時間は元気に外で遊ぶ子が、猛暑のせいで校庭に出られないときに図書室に来て、真っ先に手に取るシリーズがある。
『科学漫画サバイバル』(朝日新聞出版)は、 アマゾンや、ジャングル、恐竜世界に火山など、どんな時でも知恵と工夫を使って、最後はかならず脱出する、科学の知識をもとにつくられたストーリーだ。マンガで楽しみながら、理科を学べるお役立ち本。この本のおかげで朝読書の15分を乗り切っている子がたくさんいる。なんてありがたい。
もうすぐ夏休みがやってくる。図書室の展示コーナーには、買ったばかりの課題図書や、定番の名作本もたくさん並べたが、真っ先に借りられていったのは年季が入って修理だらけの『異常気象のサバイバル1. 2』(ゴムドリco./文 韓賢東/絵)と、『海のサバイバル』(洪在徹/文 鄭俊圭/絵)であった。
さあみんな、がんばってこの夏を乗りきろう。熱中症にも水の事故にも注意して。この世は危険がいっぱいだけど、勇気と知恵で乗り越えて、困ったときは信用できる大人に助けてもらって、2学期にはまた元気な姿で会いましょう。(真)
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