既刊本のご案内
図書館人への言葉のとびら
- 図書館人の羅針盤に!
- 図書館人として道標となる言葉をひたすら探すことで、迷い道から抜け出せたり、鼓舞されたり、ときには「これでいいのだ」と自信を深めることができました。(「はじめに」より)
- 図書館界の泰斗のほか、出版界、書店員、作家などから、69の珠玉の言葉を収録した待望の新刊。
- 「図書館は臍帯だ さまざまなひとびとの智とつながって ひとはあたらしいいのちを得る」(「未知の若い友へ」より一部抜粋)など69の道標となることばを贈る。何かが「見えた」としたら幸甚です。
内野安彦(うちの やすひこ)著
四六判 ソフトカバー 248ページ
税別 1,800円
ISBN978-4-907126-53-7
ご購入について
目次より
- はじめに
- 知の銀河系ともいえる膨大な量の書物が生まれた源泉……吉田 政幸
- 人がその主体性において本を選びうることこそ読書の特質……清水 英夫
- 手招きする本との偶然の出会い……「天声人語」
- 書き手や送り手とともにたどる知的冒険が読書……高橋 龍介
- 地域において「編集」「出版」のやるべき役割……山川 隆之
- 本は多くの無名の人々の手に支えられて読者と出会う……永井 伸和
- 地方出版人の熱意ある行動を支えるもの……河北新報社編集局
- 出版物の売上げの低下を出版文化の危機にすりかえるな……栗原 哲也
- 真の〝読書の自由〟がないという意味とは……佐々木 繁
- 出版社も書店も取次も、「本」を「読者」に手渡すためにある……永江 朗
- 「書店」と「本屋」の違い……奈良 敏行
- 書店員と顧客との間に架けられる気持ちの橋……小野 俊人
- 地域と繋がろうとする書店……田口 幹人
- 書店が本を売るのか、それとも本は読者によって買われるのか……西谷 能雄
- 書店の文庫の構成を見直しただけで二週間後の売上げは二割増……伊藤 清彦
- 版元のメディアを頼りに平積みしている本屋の現実……小川 頼之
- 選書のなかに利用者像あり……明定 義人
- 利用者を否定しない棚……嶋田 学
〈お詫び〉本文70頁
『現代思想』第46巻第18号に掲載された当該文中、「利用者を否定しない棚」とカッコでくくってあるにもかかわらず、引用注記がなかったことから、嶋田様の強調表現と安易に解してしまいました。
嶋田様からご指摘により、この表現は明定義人様のものであることを知り、嶋田様の他の文献ではその旨を記してあることもわかりました。文献探索が不十分でした。お二人にお詫び申し上げます。
- 良心的な書店人に通底する図書館の使命……菊地 敬一
- 本の宇宙に遭遇できるような図書館……豊田 高広
- 図書館の役割を出版流通の延長線上に安易に位置づけていないか……根本 彰
- 出版界の一員であるという仲間意識は図書館員にあるのか……柳 与志夫
- 純文学を支える公共図書館であってほしい……三田 誠広
- 蔵書構成は公共図書館の評価対象にならないのか……持谷 寿夫
- 図書館予算が減らされるのはなぜ……宮田 昇
- 正しい航路を指示する先見性と決断力が求められる図書館長……小林 宏
- 図書館員が教育や努力によって身に付ける能力とは……薬袋 秀樹
- 利用者の視点に立って図書館を見てみる……福嶋 聡
- 画餅に終わる地域政策の要因……大谷 登
- 図書館員は読者を助けることのできる幸せな職業……松岡 享子
- 図書館員は地域に適切なアドバイスができるか……名和田 是彦
- 読書だけではない広い視野のネットワークづくりを……巽 照子
- 地域よりも図書館や司書を優先させてしまう司書のメンタリティ……渡邉 斉志
- 職能団体として「外」に向かって示していく責任……冨江 伸治
- 図書館員の仕事は図書と人を結びつけること……中田 邦造
- 図書館が安定的な出版文化産業を支えるために汗をかくこと……坪内 一
- 図書館に税金を投入する意味……松本 功
- 図書館が置き去りにしていること……藤谷 幸弘
- 図書館運営は「図書館行政」そのもの……堤 伸也
- 未来の「博士」や創作を志す者のための図書館……瀬名 秀明
- 市民は〝風〟、図書館は〝帆〟……塚部 芳和
- 住民に支持される図書館を目指して……渡部 幹雄
- 図書館の広報が欠けているもの……杉野 珠梨亜、森嶋 桃子
- 待っているだけの図書館になっていないか……大串 夏身
- 図書館ができないことは外に向かって言おう……平野 雅彦
- 市民の単なるサーバントにならないように……山本 宣親
- 出版コミュニケーションの変質が図書館の役割を拡大……青木 春雄
- 司書は図書館業務だけやっていればいいのか……鈴木 康之、坪井 賢一
- 市民が行う行事に行政が参加するということ……中島 興世
- 地域の図書館がおちいりつつある窮状……津野 海太郎
- 図書館は社会教育の終着駅……山本 哲生
- 図書館が教育機関である所以……竹内 悊
- 図書館は利用者にとって「創造的な空間」……菅谷 彰
- 新たな本の生産を下支えしているのが公共図書館……堀 渡
- 公立図書館のミッションは周知されているか……下田 尊久
- 自治体のまちづくりに「図書館」との結びつきは必須条件……糸賀 雅児
- 図書館が地域活性化に果たせる役割……関 誠二
- 図書館は「平和と人権の砦」……髙多 彬臣
- 図書館市場と公共図書館……馬場 俊明
- 図書館のマーケティング活動……永田 治樹
- 利用率の増大を図るだけで時代に立ち向かえるのか……佐野 眞一
- 図書館は経済性の論理の弊害に対抗するひとつの砦……上丸 洋一
- 図書館にとって書店は競合相手ではない……西野 一夫
- 本棚の前は実り多い読書案内の場所……鈴木 由美子
- 図書館は「資料提供」という使命を持った社会教育機関……蓑田 明子
- 図書館浴……出久根 達郎
- はじめての図書館に入っていく時の高揚感……海野 弘
- ありがとう 八日市図書館……匿名
- 未知の若い友人へ……若松 丈太郎
- 解題としての空想的内野安彦論 ―旅をする図書館人― ……若園 義彦
- おわりに
内野安彦(うちの やすひこ)
1956年茨城県鹿島町生まれ。1979年鹿島町役場(現鹿嶋市役所)入所。2007年4月塩尻市役所入所。図書館長として新館開館準備を指揮。2010年7月に新館開館。2012年3月退職。現在、古本屋「雀羅書房」店主。筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程中退。
著書に
『だから図書館めぐりはやめられない』
『図書館はラビリンス>』
『図書館長論の試み』
『図書館はまちのたからもの』
『クルマの図書館コレクション』
『スローライフの停留所』
『クルマの本箱』
『本屋と図書館の間にあるもの』
等多数。