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タイトル 本の風

第47回 「脱皮再生」

 へび年にちなんで、へびに関する本を学校図書館の展示コーナーにたくさん並べた。児童書はわかりやすさが決め手、とばかりに表紙にドドンとへびの写真が載っている本もいくつかある。なかでも『ヘビのひみつ』(内山りゅう/写真・文 ポプラ社)ははっきりくっきり、大きなへびの顔がのっているので、以前勤めていた公共図書館のカウンターで同僚が手に取って、小さな悲鳴をあげたことがある思い出の本だ。まあ苦手な人は本だけでも怖いだろう。それなら赤ちゃんへびが表紙の『うまれたよ! ヘビ』(関慎太郎/写真・文 岩崎書店)だったら大丈夫かもしれない。こちらは卵の殻からちょこんと顔をだした、愛らしいヘビを見ることができる。
 生き生きとした(?)へびが苦手なら、『ホネホネたんけんたい』(西澤真樹子/監修・解説 大西成明/写真 松田素子/文 アリス館)をすすめたい。こちらはへびの骨の全体像をみることができる。しっぽの境目などもよくわかる写真となっているので、見入ってしまうこと間違いなしだ。
 ところで十二支の中にへびはどうやって仲間に入ったのか。確認したければ『十二支のはじまり』(岩崎京子/文 二俣英五郎/画 教育画劇)がおすすめだ。朝の読み聞かせで、これまで何度も子どもたちに読んできた。十二支の本は数あれど、二俣英五郎氏の絵は温かみがあって、みんな大好きだ。もちろん今年も張り切って3学期最初の小学校の朝の読み聞かせの本に選んだ。「ね、うし、とら、う、たつ、み、全部知ってるー」と嬉しそうに教えてくれる子どもたちと、またこの本を一緒に楽しむことができてよかった。

 へびに関するエピソードといえば、若かりし頃神社のお祭りで見たへび女が記憶に残っている。怪しい看板と口上に誘われて小屋に入ってみたら、美しい和服姿の女性が現われた。どきどきしながら見ていると、手に持ったへびを口に入れて、それからしばらくして鼻から出てきたのだ。狭い小屋の最前列で見ていたから、タネもシカケもない本当のことだと思う。あの時の自分は蛇に睨まれた蛙のように、まったく動けなかった。あんな奇妙な空間に立ち会えることはこれから先、たぶんないだろう。その後、近所で祭りがあれば神社に足を運んでいるが、そのような小屋をみかけることもない。いまから四半世紀前のむかしむかしのはなしである。(真)

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