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週末パティシエールの台所

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2月×日

 寒椿を描いた絵手紙をいただいた。添えてあるのは万葉集の言葉。あわてて学生時代の本を引っ張り出して読む。万葉集に収められている歌は、言葉にリズムがあり、日本語の美しさがずんと降りてくるような気持ちになる。
 抹茶をいただきたくなって、台所で点てていただく。お菓子は、自分のために買ったバレンタイン用のチョコレート。芽吹きの季節ももうすぐだ。

2月×日

 バレンタインの集まりに、果物のチョコレートがけを作る。オレンジピールにチョコレートをかけたものとイチゴにチョコレートをかけたもの。クーベルチュールチョコレートを使うと、きれいに仕上がる。
 チョコレートフォンデュの方が手間はかからないが、鍋の周囲にぽたりとチョコレートがこぼれてしまうので、一人鍋でもなければ、チョコがけを済ませておいた方が無難。砂糖漬けの果物にはカカオのパーセンテージが高いもの、生のフルーツにはミルクチョコレートとの相性がいい。

2月×日

 以前、蚤の市で見つけた細かな穴空きのスプーン。どうやら、フルーツに砂糖をふりかけるためのものらしい。今や日本では果物に砂糖をかけて食べる習慣はほとんど残っていないだろう。夏みかんに砂糖をかけて食べた記憶のある方も中にはいらっしゃるかも。 挿絵

 実家のみかんの木、甘い実をつけるみかんはカラスに食べ尽くされ、酸っぱい方はたわわに実ったままであるとのこと。母からどうしたものかと問われ、砂糖をふりかけて食べてみたらと、穴空きスプーンを思い出した。

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