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狸穴通信

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きみの膵臓をたべたい
住野よる著 本体:667円+税(双葉文庫)

きみの膵臓をたべたい表紙

◆本書は住野よるのデビュー作である。小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿したところ、ライトノベル作家の目に留まり、双葉社より2015年6月に書籍化された。刊行直後から大きな反響を巻き起こし、累計発行部数は260万部を超え、「キミスイ」の名称で親しまれている。2017年7月には実写映画化、2018年9月には劇場アニメ映画が全国公開され多くの人に感動をもたらした。

◆不思議かつインパクトのあるタイトルだが、その本当の意味を知ったとき涙せずには読めない作品であること間違いなし。物語は主人公である「僕」が「共病文庫」というタイトルの文庫本を偶然にも拾うところからはじまる。それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた秘密の日記帳で、彼女が膵臓の病気で余命がもう長くないことが書かれていた。本の中身を覗いてしまった「僕」は、彼女の身内以外で桜良の病気を知る人物となる。そして「桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことになっていくが……。

◆友人や恋人など、人との関りを必要とせず、人間関係を自己完結していた「僕」が桜良との出会いにより少しずつ変化し、成長していくところも見どころである。また、よく笑い天真爛漫で表情豊かな桜良、読書好きで落ち着いた「僕」という対照的な二人のやり取りは面白く、大変魅力的である。ぜひこの二人の会話文にも注目して本作を読んでみてはいかがだろうか。(芹)

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