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連載エッセイ ROCK司書のセンチメンタル・ライブラリー 若園義彦

第32回 <ブルー・マンデイ、ルビー・チューズデイ>

挿絵

 休日明けの月曜日。仕事や学校に行かなければならないと思うと憂鬱な気分になる。そういう人は少なくないのだろう。「ブルー・マンデイ」はよく聞く言葉で、それをテーマにした曲も多い。

 公共図書館は月曜日を休館としているところが比較的多い、という体感がある。とすると「月曜日、休み明けで仕事に行きたくない」という図書館員は少数派になるだろうか。「月曜日、休館日で仕事に行きたくても行けない!」という違う意味の「ブルー・マンデイ」図書館員はいるかもしれないが…。

 では休み明けの火曜日が憂鬱になるのかな、「ブルー・チューズデイ」という概念はあるのだろうか?とインターネット検索したところ、アイドルグループのKAT-TUNに『BLUE TUESDAY』という曲があるとのこと。なるほど、やはり考える人はいるんですねえ。しかし歌詞の内容を見てみると、どうやら月曜日休みの図書館員とは関係なさそうで残念。アイドルグループに図書館員の出てくる歌を歌ってもらえたら面白いのだけれど。

 火曜日の曲というとローリング・ストーンズの『Ruby Tuesday』を思い出す。この「チューズデイ」は女性の名前のようだ。誰にも束縛されない、自由な女性との別れを悲しむこの曲。「Blue Monday」「Ruby Tuesday」と並べると色の対比が鮮やかで、あらためて美しいタイトルだ(曲そのもののように)と思う。しかしまたしても残念ながら、月曜日休みの図書館員とは関係なさそう(そりゃそうだ…)。

 もうひとつ火曜日の曲。レーナード・スキナードの『Tuesday's Gone』、こちらも女性の名前で、語り手を残して「風と共に」去ってしまう。

 月曜日休館の図書館の火曜日は、返却ポストにたまった返却本の回収に始まって、一日ぶん多く溜まった新聞や雑誌の受け入れ、滞った連絡関係のメール、電話、そしてもちろん「待ってました」とやってきてくれる利用者の対応などで、一週間のうちでもっとも「風と共に去りぬ」な曜日に感じる。閉館時間を迎えると『Tuesday's Gone』を口ずさみたくなってくる。さあ、今週も始まったぞ、と。

 そして、火曜日休館の図書館があり、その他の曜日を休館する図書館がある。曜日での休館を定めていない図書館もある。そちらの図書館員たちは、利用者の方々は、きっとそれぞれ違ったリズムで一週間を過ごすに違いない。どの曜日にどんな曲を聴き、どんな本を読んで、何を感じるのだろうか、と想像してしまう。

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