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日中同形異義語における誤用を減らすための学習法
- 現代日本語書き言葉における日中同形異義語の割合、及び同形語の対照情報を中国語を母語とする日本語学習者に提示する効果を明らかにしようと試みる意欲作。
- 学習者は以下の4タイプの同形異義語における誤用が多い。
0(1) 型
(日中共有義+ 日本語独自義)
0(2) 型
(日中共有義+ 中国語独自義)
0(3) 型
(日中共有義+ 中国語独自義+ 日本語独自義)
D 型
(中国語独自義+ 日本語独自義)
そのため、現代日本語書き言葉から同形異義語を抽出・分類し、同形異義語における誤用を減らすための学習法を開発することを目的に、調査・検討する。
顧 偉長(コ イチョウ)著
A5判上製本 238ページ
税別 4,000円
ISBN978-4-907126-65-0
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〈目 次〉
序章
第一部
第1章 第1章 現代日本語における日中同形異義語
第1節 各タイプの同形語が漢字単語に占める割合について
第2節 BCCWJにおける同形異義語について
第3節 各タイプの頻用される同形異義語の考察
第2章 第2章 日本の教科書における日中同形異義語
第1節 日中同形語が日本語漢字単語に占める割合に関する先行研究
第2節 BCCWJの教科書ジャンルにおける同形異義語について
第3節 教科書における各タイプの頻用される同形異義語の考察
第3章 第3章 中国語義による言語転移
第1節 学習者が同形異義語を認知処理する際における誤用問題
第2節 中国語義が学習者の同形異義語における認知処理に与える影響
第3節 各日本語習熟度の4タイプ同形異義語における誤用問題
第4節 中国語義が各日本語習熟度学習者に与える影響について
第4章 日本語独自義の意味習得
第1節 学習者が同形異義語を認知処理する際における誤用問題
第2節 学習者の同形異義語における日本語独自義についての意味
第3節 日本語習熟度の違いが日本語独自義における認知処理に
第4節 各日本語習熟度学習者が日本語独自義における認知処理
第二部
第5章 同形語の対照情報の提示が認知処理に与える影響
第1節 同形異義語を認知処理する際における誤用問題
第2節 同形語における誤用を減らすための提案に関する検証
第3節 提案を検証した結果について
第6章 D型同形語における認知処理
第1節 学習者のD型同形語を認知処理する際における誤用問題
第2節 D型同形語における誤用を減らすための仮説に関する検証
第3節 D型同形語における誤用を減らすための仮説を検証した結果
第4節 D型同形語の対照情報の提示は各日本語習熟度に与える効果
第7章 O(1)型同形語における認知処理
第1節 学習者のO(1)型同形語を認知処理する際における誤用問題
第2節 O(3)型同形語における誤用を減らすための仮説に関する
第3節 O(3)型同形語における誤用を減らすための仮説を検証した結果
第8章 O(2)型同形語における認知処理
第1節 学習者のO(2)型同形語を認知処理する際における誤用問題
第2節 O(2)型同形語における誤用を減らすための仮説に関する検証
第3節 O(2)型同形語における誤用を減らすための仮説を検証した結果
第9章 O(3)型同形語における認知処理
第1節 学習者のO(3)型同形語を認知処理する際における誤用問題
第2節 O(3)型同形語における誤用を減らすための仮説に関する検証
第3節 O(3)型同形語における誤用を減らすための仮説を検証した結果
第10章 結論
参考文献
図表一覧
初出
謝辞
顧 偉長(コ イチョウ)
1996 年、中国江蘇省揚州市生まれ。2017年来日、2020 年武蔵野大学大学院言語文化研究科日本語教育コース修士課程修了。修士(文学)。2020 年文化庁日本語教師養成講座修了。2023 年國學院大學大学院文学研究科文学専攻博士後期課程高度国語・日本語教育コース修了。博士(文学)。現在、國學院大學大学院特別研究員。専門領域は日中対照研究、日中同形語研究、漢字学習。漢字圏出身日本語学習者の日中同形異義語における誤用を調査し、誤用を減らすための学習法を開発している。
主要論文に「頻用される日中同形異義語についての量的調査 -BCCWJ 現代日本語書き言葉均衡コーパスを用いて-」(『国学院大学大学院紀要・文学研究科』53輯)。「教科書における日中同形異義語についての一考察-日本語均衡コーパスBCCWJ 短単位語彙表を用いて-」(『JSL 漢字学習研究会誌』15 号)など。