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司書になった本の虫
- コンピュータ導入による図書館業務の大変化を目の当たりにしてきた著者。
- 近世文化史研究に取り組む中で出会った江戸時代の図書館。
- 時代を突き抜ける著作はその存在なくしては生まれなかった。
早坂信子(はやさか のぶこ)著
A5判 ソフトカバー カラー口絵+240ページ
税別 2,200円
ISBN978-4-907126-46-9
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目次
第一章 昔、図書館にあったもの
- ① すべてが手作業だった
- ② 製本室と製本師
- ③ 筆写生
- ④ 目録カード
- ⑤ 図書台帳
- ⑥ 押印背ラベル
- ⑦ 請求記号の改革
- ⑧ マイクロフィルム撮影室と撮影技師
- ⑨ 完全閉架書庫図書館から『格子なき図書館』へ
- ⑩ アメリカ文化センターとUSIS映画
- ⑪ 情報の容れ物、メディアの変遷
- ⑫ 電子書籍の未来
- ⑬ 重い情報、軽い情報
- ◎ コラム レファレンスは毎日が謎解き〈一〉
第2章 江戸時代の図書館物語
- 第一節 書物の生産と大蔵書家の出現
- 第二節 岡蔵治の読書日記に見る公共図書館の源流
- 第三節 文庫という名の図書館
- ① 青柳文庫
- ② 養賢堂文庫
- ③ 仙台開物所文庫
- ④ 仙台府医学校文庫
- ⑤ 仙台造舶所文庫
- ⑥ 仙台講武場文庫
- ⑦ 評定所御備書籍
- ⑧ 龍宝寺の「法宝蔵文庫」
- ⑨ 藤塚知明の「名山蔵文庫」
- ⑩ 城中伊達家蔵書
- ◎ コラム レファレンスは毎日が謎解き〈二〉
第3章 稿本という夢の形
- 第一節 埋もれた稿本
- 第二節 書き上げてから176年後に出版された
只野真葛の『独考』
- 第三節 江戸時代の完訳源氏物語
『賤のをだまき』(自筆稿本)
- 第四節 青年大槻文彦による国境探求の足跡
- ◎ コラム レファレンスは毎日が謎解き〈三〉
第4章 蔵書を守る人
- 第一節 戦時中の疎開本の選ばれ方
- 第二節 東洋文庫のモリソン・コレクション
- 第三節 ジュゼッペ・ロスの古地図コレクション
- 第四節 繰り返す自然災害
- 第五節 宮城県図書館所蔵古典籍の移管事件
- ◎ コラム レファレンスは毎日が謎解き〈四〉
第5章 ブックレビュー「記憶と記録」
- 第一節 五・七・五は記録する
『仙臺郷土句帖』
- 第二節 三・一一を記憶する
『3・11キヲクのキロク』
- 第三節 東洋と西洋のはざまで
『記録された記憶』
- ◎ コラム レファレンスは毎日が謎解き〈五〉
早坂 信子(はやさか のぶこ)
1946年北京市に生まれ、生後5か月で家族とともに仙台へ。1964年宮城学院高等学校卒業。1968年早稲田大学第一文学部卒業。1969図書館短期大学特別養成課程(現筑波大学図書館情報学群)卒業。以後、宮城県図書館司書として37年間勤務。この間、『宮城県郷土資料総合目録』『宮城県内公共図書館逐次刊行物総合目録』等の編纂にあたる。また全国総合目録ネットワーク協力会議書誌データ整備分科会主査として公共図書館の全国総合目録データベースの形成準備に参加する。東北学院大学、聖和学園短期大学、宮城学院女子大学の非常勤講師を務めた。日本近世文化史、図書館史、特に「青柳文庫」「只野真葛」を研究テーマとする。
〈主な著書等〉『公共図書館の祖青柳文庫と青柳文蔵』大崎八幡宮2013.8(仙台江戸学叢書 50)「江戸時代の仙台を生きた只野真葛という女(ひと)」2011.1 メディアデザイン『ブックカフェのある街』前野久美子編・著 p191-200ほか論文等多数。